自社株式に係る相続税の納税猶予の適用を一旦受けた後に猶予が取り消されるのは、どのような場合ですか?

自社株式に係る相続税の納税猶予は、被相続人が経営していた事業を相続によって引き続き経営することを前提とした制度といえます。
それゆえ、会社経営の存続が危うくなる行為を行った場合には、納税猶予が取り消されてしまい、納税が猶予されていた相続税を負担しなければなりません。さらに、猶予された期間に対応する利子税も負担する必要がありますので、この制度の適用を受けるに当たっては、注意が必要となります。

納税猶予を続けるための主な要件を満たせなくなった場合には、納税猶予額の全額又は一部を納付しなければならなくなります。
1.納税猶予の適用を受けた相続税の申告期限後5年間については、主に次のような場合に納税猶予額の全額を納付する必要が生じます。
・納税猶予制度の適用を受けた自社株式についてその一部を譲渡した場合。
・後継者が会社の代表者でなくなった場合。
・一定の基準日において雇用の8割を維持できなくなった場合。
・会社が資産管理会社に該当した場合。
2. 納税猶予の適用を受けた相続税の申告期限後5年経過後については、主に次のような場合に納税猶予額の全額又は一部を納付する必要が生じます。
・納税猶予制度の適用を受けた自社株式についてその一部を譲渡した場合。(一部納付)
・会社が資産管理会社に該当した場合。(全額納付)
上記譲渡には、贈与した場合その他一定の場合が含まれます。そして、上記資産管理会社とは、有価証券・自ら使用していない不動産・現金・預金等の特定の資産の保有割合が帳簿価額の総額の70%以上である会社やこれらの特定の資産からの運用収入が総収入金額の75%以上である会社等、一定の会社のことです。